歌う米とは


頂き物の新米を炊く。きゃべつを刻んでいたら背後から歌声が聴こえてきて、見ると炊飯器の蒸気が歌っているのだ。おそるおそる耳を近寄せるとそれは人の声に違いなく、黒人霊歌のように陽気なハミングだった。精米したての新米だからなのか、初めての体験に少しだけビビる。炊き上がりはもっちり粘っこく、半透明に光る粒のひとつひとつがいとおしく思えた。もちろんわたしは食べないのだけれど、ふくよかな香りに感謝したくなる。ぬか漬けの隼人瓜は小さくて硬いメロン。胡瓜より瓜の方が好み。香りが違う。来週静岡行きのバス乗車券を往復買ってしまったというのに、また台風。やけっぱちにもなりますわ。