宵待月とは
ほぼ全身打撲。風邪でも二日酔いでもないのに身体中が痛い。鞭打ちのように首が回らない。歳を取ると疲労は一日遅れでやってくる。恐れてはいたが、ここまでひどいとは。ほとんど廃人。がんばるのはもういい加減にしないと。東海製蝋の「今日の富士山」にはオレンジがかった桃色の雲が光線のように走っていた。まるで浮世絵。カメラの露出を変えたのか。十三夜の月が昇ってきた。昨夜のかんぴょう巻きの残りを朝に食べたきりで空腹すら感じないが、さすがに心細くなって近所の店。奄美産の本マグロで息を吹き返す。開店20周年記念紫色のタオルを頂いた。シャイで実直なマスターはぶっきらぼうを装っているけれど、料理に繊細な人柄が表れている。