絶対音感とは


久しぶりに街に出ました。おしゃれな若い人たちが肩を並べて歩いているのを見ると、素直に少しだけうれしい気持ちになります。飲み屋でも隣りに座る人はみな年下で、バイト君のお母さまはわたしより10歳若いに至ってはなんだかもうどうでもよくなって、すこぶるご機嫌に酔うのでした。若い人たちは何もかもが丁寧で一生懸命で内気できらきら輝いています。そんな人たちの仲間にちょっとだけでも入れさせてもらうと、くたびれていたのが嘘のように元気になります。みんなの可愛らしい笑い声を聴きながら音を探している自分に気づくと照れ臭くて洗面所で頭を冷やし、何事もなかったように笑いの渦の中に溶け込んでいくのです。