赤い糸とは
つくづく人生は出会いだなと思う。世話になっていた動物病院には二年ほど前から喫茶店が併設されて、猫の里親募集をしている。大半が飼育放棄された猫たちで体調管理も大変だと思う。それでも子猫たちはすぐに飼い主がみつかる。以前、2歳を過ぎた子になかなか引き取り手が現れず気の毒だったけれど、穏やかな日々を過ごしていると表情もだんだん柔らかくなってきて、いつか運命の出会いがある。二匹の猫がいなくなり、家の中に気配が消えたのにも慣れた。今の借家は猫OKのめずらしい物件だが、まだ新しい猫を迎える気にならない。マティとわたしの出会いはそれほど衝撃的で、彼女のお腹からグイドを引っ張り出したのも忘れられない事件だった。