崩壊とは
忘れもしない7年前。二階で猫たちをひなたぼっこさせながら机に向かっていた。あの瞬間、思わず立ち上がったわたしにグイドが飛びついた。7kgの大きな体がこわばり、爪を立ててしがみついている。マティを見るとキョトンとして状況がわからない様子。右腕でグイドを抱き、左腕でマティの頭を撫で、両足で揺れる本棚を押さえつつ、長い時間がすぎた。それからはスローモーションの世界。テレビに映し出される映像にこの世の終わりをみた。大袈裟だけれど、あの時から人生が変わった。願い事はしない。生き残った人間は生きていくだけだ。