桜散るとは


桜吹雪の花見。池には白い花弁がゆらゆら揺れる。ベンチでひとりビール。隣りは野球少年たちが家族ではしゃいでいる。子どもはカルピスウォーター、お父さんはエビス、お母さんは甘すぎる卵焼き、太った人は食べてばかり、普通の人はよく働く。コーギー犬が足元に来た。ふしぎ。人間観察はおもしろい。きゅうくつな店で飲むよりたのしんだ。さっきからずっと枝でいちゃつく鳩は滑稽、抜かりなく餌を探す椋鳥は人間より人間らしい顔。トイレに行って近くのお寺に移動した。足を取られたらどこまでも沈んでしまいそうな池にかかる枝垂桜が幻想的。ここだけ時間が止まっている。明日は花祭りが開かれるようだ。しずかな日でよかった。