ねこたちとは


うっかりしてたわけじゃない。桜に気を取られて忘れてたわけでもなく、仕事にかこつけて後回しにしてたわけでもない。猪熊弦一郎展に行くには渋谷の街を歩かなければならない。どうにも気が乗らない。総武線に乗り、新宿駅で山手線に乗り換え、渋谷駅で降り、スクランブル交差点を渡り、雑踏を掻き分け汗だくで文化村に着いたとしても、会場はどうせ若い女性で混雑してるに違いない。その空間に佇むことを考えただけで卒倒する。あと一週間。明後日には入稿用の原稿が送られてくる。アウト。そんなわけで図書館に猪熊弦一郎猫画集などを予約した。順番待ちはあと一人。もうすぐ。行かないと後悔しそうな気がするけれど、どうかしら。