小さいものとは


例年通りのことだけれど、この大型連休はおとなしくしているに限る。四月の終わり、街からフッと車が消え、隣近所から人気がなくなり、テレビは弱い者いじめばかり垂れ流し続け、さらに居酒屋もお休みとなると、家に閉じこもってビールを飲むしかなくなる。そんなわけもないけれど、日光アレルギーでパニック障害ではこんな陽気の外出は自殺行為。猪熊弦一郎の『ねこたち』を眺めて、その視線の先にあるものを考えるのがいい。いのくまさんの言葉はやさしくて挑発的だ。「しなやか ひそやか ひややか たおやか かろやか したたか ヒトの言葉で猫に追いつくことが出来るだろうか」