名残とは


今日一日の辛抱だ。朝から何度も何度も云い聞かせる。明日になれば気温も下がり秋の気配が感じられるはず。京都の大文字さんの画像を見ていると盆踊りの笛や太鼓が聞こえてくる。夏祭りの記憶はまだ微かに残っていた。綿あめやりんご飴やイカ焼きは食べない。いや、仮に欲しくても買えなかった。子どもには高い買い物だ。シナモンの味のするパイプが好きだった。今もあるのだろうか。小さな木製のパイプを吸うなんて恰好いい。昔の祭りには常に闇があった。神秘で猥雑な場所にはいじわるでおっかない大人が沢山いた。そんな人たちはもうとっくにいない。ひどく懐かしい気もするが、二度とあの貧困には戻りたくないというのが正直なきもち。