豪傑とは


十二月の嫌いなところ。歩道や商店街を行く人々はみな大きな荷物をぶら下げ、まだ忘れ物はないかと気もそぞろ、よおく注意して歩かないとぶんぶんぶつかってくる。菜箸、爪ブラシ、母へ土産のチョコレート、そそくさと買物を済ませて午后4時に友人と鮨屋。と云えば聞こえはいいが、体のいいファミレスだ。個室には予約の札が一杯。運よくカウンターにほど近い個室にすべりこみ、生ビールで乾杯。回転寿しみたいに伝票に好みの握りを一つずつ記入して店員へ、ひもきゅうや葉山葵巻なんぞで熱燗、久しぶりに彼女の愚痴を聞いた。大ジョッキのハイボールをぐびぐび飲む女性はなかなか豪快。土産に上寿司の折を持たされてびっくりした。