自慢とは


寝覚めの悪い朝。夕べの失態が尾を引いている。一気に白髪が増えた。しょぼつく目に目薬をさし、溜まってしまった録画番組を見る。何も頭に入ってこない。たのしいことを考えるのをやめた。風が吹いたらフードを被り、雨が降ったら紫色の傘を差し、月が生まれ変わるように大きな流れに身をまかせ、エアープランツみたいに根を持たずに生きていよう。ミミコは6時に朝ごはんを食べ、3時間ほど眠り、勢いよく飛び出していった。つれないやつ。昨日の夜、何が嫌だったか思い出した。金持ちの常連客が彼女や店主夫婦らを銀座のフレンチレストランに招待したというスマホの写真を何枚も見せられて閉口したのだった。何がたのしい?