生き甲斐とは


マティの不在から四年。未だに抜け落ちた胸の痛みは消えない。わたしたちの20年の日々が綴れ織りのように体をきゅうっとやさしく縛り上げる。前を向くとか未来に向かってとか、そんなことどうだっていい。真綿で首を絞められるように、じわりじわりと正気を失いかける。昨夜遅くから降り出した雨はどんどん勢いを増していく。どこにも行けない。暗い部屋に篭ってぶつぶつ独り言。夕方4時すぎ、勇敢にもミミコがやってきた。これほど人に媚びを売らない猫もめずらしいけれど、今のわたしには似合いの友だちというわけだ。夜10時すぎ、窓に巨大な白い影が映る。生きていたか、チャイ。チラチラこちらを窺いつつカリカリを食べていった。