封書とは
「ミミコ、青天の霹靂ってわかる?」ふん、そんなの知ってる。どえりゃーびっくりこいた、でしょ。「すごいね、そのとおり。昼すぎに郵便受けをのぞいたら見慣れないA5サイズの封筒があって一瞬息が止まった。できれば目にしたくない送り先に血の気が引いていくのがわかる。ずしりと重たくて、封を切りながら何の知らせか見当がついてしまって固まっちゃった。裁判員名簿に名前が載ったんだよ。それで辞退するには29日必着で書類を送らなくちゃならないの。ふぅ〜。長い長い長い溜め息。来週初めに病院へ行って診断書を書いてもらわなくちゃ。今の体力と精神力ではとても務められない。10年前ならどうだったかな。とにかく頭を冷やすね」