紳士論とは


遠い昔がよみがえる。高校一年生の時だったか、現国の授業で高見順の作品の感想を問われた。「この手記からは作者が如何に高潔であり不幸であるかだけを強要される。まったく不愉快。大嫌い」こんな具合に答えた時、先生の顔が曇ったのも見逃さなかった。癪にさわる生意気な生徒だ。ガスストーブを出した際に本棚から取り出した花田清輝『七/錯乱の心理/二つの世界』講談社文芸文庫を何年ぶりかに読んでいて、花田が高見を「半俗物的俗物」とか「ゴロツキ気どりの紳士」と酷評していたことを思い出して笑う。昨夜いつもの店で食べた里芋のコロッケがおいしかったな。煮っころがしが作りたい。煮汁をご飯にかけるとおいしいんだよなあ。