時差ぼけとは
東京に戻る余力を使い切る。母の衣類を整理して箪笥に納め、雑多な書類を一ヶ所に積み上げ、次に来た時に出せるよう数種類のごみをまとめた。ヤクルトの集金を払い、持ちきれない荷物を宅急便に出し、銀行で未払いの振込をし、駅前のスーパーで黒はんぺんをありったけ買って電車に乗った。喫煙席のある自由席は15号車と唱えながら新幹線に乗り、煙草を3本吸って缶ビールを1本飲んだらもう品川だ。今夜はやっぱり寿司と刺身だろう。乗り継ぎ駅で買った高級わさびが何よりのごちそうになった。わたしの寝床は途轍もなく温かい。心はまだ静岡に置きっぱなしだ。