こだわりとは
バレンタインって恥ずかしい。スーパーやコンビニで華やかに包まれたチョコが並んでいるのを見ると、なんとなく空々しくて手に取れない。照れ臭くってしらんぷりを決め込みたくなるけれど、わたしだってもう大人だ。いつも会う方々に笑ってもらえるように、できる範囲で考え抜いた。素材と手作りにこだわった街のちいさなケーキ屋さんでチョコレートパウンドケーキを買って一つずつ袋に入れる。お返しを気にしないようささやかに。夜、いつもの店で飲んでいると、相方さんが来たので気になっていた行者にんにくの醤油漬けを頼む。数十年ぶりに食べたけど、びっくりするほどおいしかった。なかなか眠れなかったのはそのせいかな。