私生活とは
半径100mの世界。それ以上は歩けない。少しずつ家の片付けをして、少しずつ身軽になるために何をするべきか。あと何年生きればいいか。もう桜なんて見たくない。こころがぼろぼろでたのしいこともかなしいこともよくわからない。ここまで疲れてしまったのは初めて。世界の動きもすべてがうそっぱちに思えてくる。インドネシア土産のジャコウネコのコーヒーをのんで、たばこを吹かして、古い映画をみるだけの生活。夜、二日ぶりにいつもの店に行く。こんな不自由なにんげんを、ほんのちょっとでも気にかけてくれる人がいるってことに感謝しなくちゃいけない。