桜雪とは


準備はできていた。予報より早い朝8時すぎ、冷たい雨が雪に変わるのを待ち構えて、家の前の万年草にシェードの端切れとゴミ袋8枚を被せる。オリーブやローズマリーの鉢は夕べのうちに玄関の中にしまった。飛んできた桜の花弁の上にぼた雪が降り積もる。暗い日曜日。どこにも出られない。この週末、何かがきっと起こると云われている東京。そんなことより、こんな国に頼れるはずもないのだから、こんな作為に満ちた暴力に負けないように精神のバランスを崩さないようにいること。それしかできない。万年草は無事だった。