さくら色とは
春の雪が残る東京。気をしっかり持とうとするとくらくらめまいがする。たのしいことなんて思いつかない。去年お世話になったクリニックの院長に桜の便りのゆうパックを送る。さくらの焼き菓子に皆さんがぱっと笑顔になってくれればそれでいい。とっくに訪ねて行ってお礼を云いたかったけれど、こんな状況では致し方ない。近所のスーパーによると野菜の高騰に驚かされる。鍋なんかしたら何千円もかかるのか。130円の菜の花を買い、大ぶりの湯呑み茶碗に入れて玄関に。可憐な黄色の花のついた先っぽを猪口に挿して座卓の上に。昼すぎに歯医者。治療があと2回に延長される。夕方いつもの店。客がいなくて気恥ずかしい。蓮根きんぴらで冷や酒。