着せ替え人形とは


白い木綿のネグリジェを着ていたのは10年以上、いやもっとずっと前までだ。初めて買ったのはこの街の専門店で、たしか一万円以上したと思う。劇団公演で客演だった主演女優が病気で降板し、急遽代役に立った時のこと、少しでも華やかに見せたくてこれを選んだ。さすがにもう着れないけれど、捨てたのはごく最近のこと。グローシャの公演でもネグリジェを衣裳にした。その時に買った二枚はそれとは比べものにならないほど安かった。使わなかった方は、玄関窓のカーテンになっている。その残り布で「座る大猫」のガウンを作った。レースの裾、エリザベスカラーに紫のリボンを結んで貴公子風に。可笑しい。あれやこれや手仕事の一日。