生まれた町とは
はっと目が醒めたらまだ三月一日だ。昨日は兄宅に泊めてもらう予定だったが疲労困憊で実家に戻ることにした。ビールを飲んで20時には意識が遠のく。一昨日から寝ていなかった、無理もない。午前0時までの数分間、わけの分からない恐怖に耐えた。冷や酒を呷って二時間ほど眠り、やるべきことをぼんやり思い浮かべる。洗濯、母への荷造り、あちこちへの連絡、お見舞い返しなどキリがない。夕方、とりあえず片付いた部屋で途方に暮れる。17時寸前に郵便局で手紙と小包を出し、住民しか知らない急な階段を下りながら苦笑い。近道は足にくる。酒と少しのつまみを買って帰り、燃えるゴミを大袋で9つ集積所に運ぶ。一昨日は瓶のゴミが大きなバケツ8杯だった。どんどん家の中が広くなる。