婆さんとは


玄関先で大谷石の塀の下から名前の分からない木が生えていて、葉っぱで検索し候補を上げると芙蓉、キササゲ、イチビ、桐、併しどれも少し違う。去年の夏に引っ越してきた時は雑草程度に思っていたが、あれあれよと1m程に成長した。今朝、或るブログ写真を見て「これだ!」と小躍りする。それは青桐だった。葉っぱがそっくり、互生、新芽が赤褐色。ほぼ間違いない。この木は成長が早く15~20mにもなる。はてさて。寝る前は木山捷平の『日本の旅あちこち』をちびちび読む。「人間の悪魔は常に愛嬌のよい微笑みを忘れない」という一節が脳裏に焼きつく。執筆は昭和41年。赤い腰巻を干している婆さんの年齢が62歳。わたしもその部類に入るな。