飄然とは


暑さがぶり返す。日中の33℃超えは致し方ないとして、夜になっても二階の部屋が30℃から下がらないのは苦しい。一階は28℃に下がるが、湿度計はHI(90%超え?)の表示。ようやく27℃に下がるのは深夜3時頃、丁度目醒める時間。昔読んだ木山捷平の短編を思い出す。屑釘を拾い集め揚々と買い物に行くが、買えたのは軽石1個であった。次の日、愚妻が行水をしていて、執拗に軽石で踵を擦っている。主人公は鼻で笑い、そんなにこすったからといって痩せるわけもないのにと呟く。彼の作品にはトボけた味わいの妻がよく登場するが、実際は賢夫人であり、木山自身も大変な愛妻家であった。昭和7年、木山夫妻が住んでいたのはこの家のすぐ近所。