フランス映画とは


エリック・ロメールを観たのは何年ぶりだろう。デビュー作の『獅子座』1959年は莫大な遺産を取りそびれた男が無一文でパリの街を彷徨うという話。ザ・シネマで「四季の物語シリーズ」を特集していたので4作品を二日にかけて観た。年代順に『春のソナタ』『冬物語』『夏物語』『恋の秋』全て男女の恋愛をめぐる心理劇。些細な日常の会話に哲学的要素満載なところが仏映画らしい。春は女性たちが常に着ている大胆な花柄のブラウスが嫌味に映り、冬は主人公の女の顔が苦手で、夏は女たちの水着姿が美しくない。衣裳が洗練されていた秋がいちばん良かった。しかしこれらを監督したのが70歳から78歳だというから恐れ入る。さすがフランス。