叙事詩とは


ピーター・ブルックの『バトルフィールド』を観に新国立劇場中ホールへ。前から三列目、ど真ん中の席。近い。「マハーバーラタ」の最終景。7億26万7千人の兵が死んだ、後に人間たちは如何に生きて如何に死ぬか。四人の役者とアフリカの打楽器の即興、舞台中央上部に明確すぎる字幕。1時間10分、死にそこねた人間たちは森をさまよい、最期の時を模索する。そこに壮大な物語をみることはできなかった。卑俗で軽薄な言葉に埋めつくされ、扇情的なのは太鼓の音だけ。斬新さは微塵も感じられずさみしい。帰りはバスで放心し、大好きな焼き鳥屋で日本酒。パンとハンバーガーの話が沁みた。