彫刻家とは
稀に勘が働くことがある。渋谷区松涛ギャラリーTOMのホームページを久しぶりにのぞいたら「掛井五郎一周忌展 かならず愛があるから」が明日から。去年、91歳でお亡くなりになっていたとは。掛井氏にお会いしたのはおそらく数十年前。ここで個展を見たのが初めてで、ユーモラスな動物や虫たちをかたどった銀のアクセサリーに魅入っていたら、おおらかな彫刻家の接待を受けた。飾らない人柄と飄々とした佇まいが印象的だった。TOMは「視覚障害者のための手で見るギャラリー」として開設された美術館、上京した母と一緒に何度も訪ねた。今や豹変した渋谷を歩くのは途方もなく困難だろう。バスという手段もあるか。12月4日まで。