一期一会とは


出逢いはふしぎだ。いつもの店へ向かってあまり人が通らない裏路地を歩いていた。ふと誰かの視線を感じて振り返ると植木鉢の上にお行儀よく座るテディベアと目が合った。そして箱に貼られた短冊の文章に驚かされる。「未使用です どうかお連れになってください Take me to your house」これほど丁寧な(ご自由にお持ちください)を見たことがない。思わず茶色の熊を触ると柔らかい毛並みにうっとりした。そうだ、店を手伝っているマスターの息子さんには小さな子が二人いる。彼らに差し上げよう。嬉々と箱を抱き上げ先を急いだ。息子さん「里親になります」と喜んでくださった。帰り際チョコも渡したけどクマのインパクトに負けたな。