しかめっ面とは


夜中に目醒めてしまうと本を読むには眼がぼろぼろすぎるので森繁久彌の社長シリーズを見たりするのだけれど、隙のない展開と演技に何度もほれぼれしてしまうわけで、今の役者にはちっとも魅力を感じなくなってしまう。今日ふと、森繁に似ている俳優を思いついた。旧ユーゴスラビア出身のミキ・マノイロヴィッチだ。エミール・クストリッツァ監督作品の常連、渋さと軽さと色気が混ざり合い、哀しみと怒りに満ちた目には狂気が宿る。マリアンヌ・フェイスフル主演の『やわらかい手』でもいかがわしさ全開で笑わせてくれたっけ。これ劇場へ観に行ったんだ。2007年公開でした。