木山捷平の短編かなぁ。二階の窓の手摺りにしどけなく干された赤い長襦袢が実は五十すぎの婆さんの物で‥と云うような内容だったと思うが、軽いめまいを憶えた。鷗外も50代を婆さんと書いていたのはショックだ。然しよくよく思い返せばわたしが知る祖母たちは間違いなく50代であった。父方の祖母は腰の曲がった着物姿、母方の祖母は線香と樟脳の匂いがした。幼児の眼にはまさに老婆に映った。たかが60年前のこと、今や70代で髪を染めマニキュアをし着飾っている。どちらかと云えば後者の方が老醜を感じさせる。わたしは飾りっ気のない少女のまんま年老いた妖怪でいたい。山田風太郎が「戦中派虫けら日記」の中で鷗外を超人と書いていたのを思い出す。
老醜とは


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