偏愛とは

岡本かの子から解き放され、原点に戻って倉橋由美子を読んでいる。大学在学中に書いた「パルタイ」が平野謙の目に留まり作家デビュー。それから僅か半年の間に書かれた4篇を加えた作品集は昭和35年刊行。25歳の時だ。わたしの母と同じ昭和10年生まれ、生きていれば91歳。母が幼児を抱えて四苦八苦していた頃に芥川賞候補。毎夜一篇ずつ食い入るように読んだ。約半世紀ぶりだが改めて知的な文章に身悶えするほど嫉妬する。本棚の全てを読み終えるのは来年になるかしらん。次はいちばん好きな長編「暗い旅」晩年の「新訳 星の王子さま」エッセイ集「わたしのなかのかれへ」のどれかで迷っている。彼女を一言で表すとすれば(妖女)だろうか。

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