ストイックとは

さて霜月。10日前が真夏日だとは信じ難い。さすがに秋の雲だのと浮かれてもいられず、かといって衣替えも遅々と進まず。アタマがふぃっと何処かへ連れ去られる瞬間に脅えつつ諦観。日曜いつもの古本屋、武田百合子『日々雑記』表紙の裏に鉛筆で150円。扉の裏に「ーいなくなった人たちに」。最初の頁。発熱で寝込んだ正月、九階の窓から年始周りの夫婦を眺め「(女房を愛していない男って、正月三ガ日はイヤだろうなあ)と思う」当時百合子63歳~65歳(1988年~1991年)バブル絶頂から崩壊へと激変していく時代。死期を予感し、さっぱりと別れを告げる作者の独り言。華々しく脚光を浴びた『富士日記』より好ましい。1993年死去67歳。

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