色彩とは


六月は薄紫色だ。玄関先でけなげに咲くローズマリーの色。実家の濃い紫色の枝を挿し木したのだが、こちらでは色あせたおばあさんの前掛けみたいなうすい紫にしかならない。土と空気と紫外線の違いだろか。花を摘んで口に含むとか細い蜜の味がする。あいかわらずの薄曇り。時々絹糸みたいな雨が降っている。こんな具合で一年の半分がもう過ぎている。