灼熱地獄とは
夜明け前の富士山の黒いシルエットがうつくしい。一睡もできず、深夜三時の空にオリオン座とカシオペア座をみつけた。午前九時前にタクシーを呼ぶ。郵便局までワンメーター、千円札を渡し「お釣りはいいです」初めて口にした。荷物を東京に送り、電車で隣町。構内の喫茶店でアイスコーヒー、30分後に母と兄と合流して病院へ。診察を待つ間に美術協会の友だちが来て母とおしゃべり。検査結果は良好。レストランでざるそば、持参した胡瓜の梅干和え、頂き物のみたらし団子と無花果を母に食べさせる。二人と別れて実家へ戻り、洗濯物をたたんでゴミを出し、帰り仕度。お礼の手紙を二軒のポストに入れて駅へ急ぐ。また四時間の道のり。今度は車内が寒くて眠れない。通勤ラッシュをくぐり抜けようやっと我が家へ。もうまぶたを開けていられない。