静けさとは
ほの暗い部屋にはすすきとお供え。積み上げられた里芋、茹で落花生、栗などの横にちんまりと座って歪な空に浮かんでいるお月さまの気配だけを感じる時間。そんな静寂が好きだった。沢のせせらぎがいつも傍にあった。あれほど恐怖だった真夏の太陽が雲隠れしている間に季節は移り、暴力的に秋が訪れた。シェードや簾をしまうタイミングを逃してしまい、雨に濡れてひどく寒々しい。この前パソコンのデスクトップピクチャーを変えてみた。朝焼けの中に踊るフラミンゴの大群。みてると落ちつく。ヘルツォーク特集最後は『アギーレ 神の怒り』1972年。ラストシーンは大量の小猿が画面を覆いつくしていく。絶望的な狂気。