方言とは
実家の庭で摘んだのは濃紫のアメジストセージと白い秋明菊。父の仏壇と居間のちゃぶ台に飾ると少し気持ちがやわらいだ。二ヶ月ぶりに娘が訪ねてきたのに挨拶もそこそこ、うきうき昼食に行ってしまう母。床に「かあばった(こびりついた)」汚れを「けやして(消して)」部屋中のごみを「うっちゃって(捨てて)」「やいやい(やれやれ)」。画家というプライドが彼女を支えているが、今はエラクなってしまって描くよりも審査で忙しいらしい。まったく「空を使っていて(とぼけていて)やっきりする(腹が立つ)」。今日一日、からだがずたずたで肋骨がひどく痛む。彼女を一言で云えば「ずない」静岡弁で強情っぱり。