幸せの青い鳥とは
ルリビタキが春を呼んできた。背中が灰色で脇腹が山吹色のちっちゃい奴はオスだった。三年経つと名前の通り背中が青くなる。コンコン木の幹を突つく姿が愛らしく周章ててスケッチした。暦の上では立春だもの、花も咲くさ。田舎の山にそこだけほわんと桃色のグラデーションができていて、ぽぅとなった。桃の花が好きだと云ったのは太宰治だけれど、真似するのがイヤでわたしはアザミが好きということにしていた。やはり桃の花はいい。果実と野菜とハーブの花は可憐な生命力にあふれている。ついに体力の限界がきた。時間にぐんぐん追い越されて行く。必死でつなぎ止めて回復を待つしかない。柚子を搾ってせっせと飲む。