温もりとは
昨日の銭湯は昔ながらの味わいがある。番台のおばさんにさりげなく「ごゆっくりどうぞ」と云ってもらうとほっとする。老朽化してはいるものの手入れが行き届いていて温かみがある。トイレには雪見窓とでも云うのか、しゃがむと目の前に細長い開口があってドキリとさせられるし、脱衣所にはズシリと存在感のある台はかりが置かれていて、籠がないのが不思議なくらいすべてが旧式なのだった。ところがですな、家の近くの銭湯は代替わりして番台にいる派手な顔の女性から「行ってらっしゃいませぇ」と声をかけられる。これには面食らう。あの世に行けと云われているようでゾクッとするし、勘違いも甚だしい、第一大きなお世話だ。そんなことよりカランから熱い湯が出ないのは怠慢としか云いようがない。浴場組合に苦情を云おう。