目刺しとは
花曇り、花冷えがぼんやり続いている。卑しいけれど煙草も5カートン買い溜めした。やるせなくてハイライトを1個買って一週間ぶりに近所の店へ行くと常連さんに「久しぶり」と云われた。わたしが色々観察する以上に彼らに見られている。いったいぜんたいあの年齢不詳の女は何が楽しくてここにいるのだ、摩訶不思議…という声が聞こえてきた。ふふん、へっちゃらへっちゃら、たのしいからそこにいる。天然物のヒラメなんか頼んじゃって、岩手の日本酒3合なんて軽い軽い。だって安いんだよ。妄想は得意分野、そしてぎすぎすした心臓をリセットする。黒板に春の季語「目刺し」を見つけてにんまり。忘れていたハイライトの味をしっかり胸に入れた。