助け船とは
寝坊ついでに思い切って仕事を休む。爽快。散らかった部屋を片付けた。今日の服装は少し迷う。暑くもなし、寒くもなし。白いズボンにピンクの花柄ワンピースを羽織って緑の森を抜けて行く。中途半端な午后四時、多国籍な街で女子校時代の親友と会う。三人の顔が揃うといつだって娘気分に戻るけれど、みな深刻な状況に陥っていた。広々した蕎麦屋で軽くつまみながらビール。どうにもならない悔しさ、ただ黙って話を聞く。有意義な言葉がみつからないまま三時間が経ち、ふたりを残して電車に乗った。わたしたちは想像力がありすぎて、とことん自分を追い詰めてしまうらしい。千鳥足で魚の店に寄り、元力士のオニイチャンに少しだけ甘えて笑う。単純でささやかな幸せ。