飾るとは


日の出前の澄んだ空に浮かぶ白い月。一日のはじまりに月を見るのはちょっぴりうれしい。夜のパーティーに着ていく服とバッグと靴を合わせてみたら外国のショーウィンドウに飾ってあるお人形みたいで照れ臭い。荷物は極力減らした。猫ポシェットに煙草とSuicaと鍵、ビーズ刺繍のアンティークショルダーにちり紙とハンカチと会費、忘れずに台湾のナッツの詰め合わせを手土産に下げて出かけた。午后6時、店の外まで人々が集まり宴がはじまる。素敵な料理には目もくれず、4合瓶八千円の日本酒に飛びついた。異国の地に紛れ込んだような軽やかさ、たくさんの笑顔がきれいで我を忘れて飲む。夢のように過ぎていく時間。おつかれさま。