防災の日とは


嵐は来なかった。ただ、てきめんに秋の空気を漂わせる。カレンダーをめくった以外になにかをした記憶がない。もう死期が近い予感になかなかな夢をみる。もういいよと云いたいけれど、むくむくと生きたい根性が湧き出してきて鏡の中の誰かと会話する。まだ死なない。夕方になるといそいそ洋服を悩みながら選んで300メートルの旅に出る。うっかり煙草を忘れた。うわの空でビールを飲みきりコンビニまで走ると小雨がぱらつく。マッチも買って380円。なんだかとても贅沢をしている気分で薄いグレーの空を見ながらの一服はおいしかった。今夜は北海道の鰯、半身で300円のお値打ち価格。岩手の酒が寄り添うように舌をなめらかに滑っていく。