空想とは


二種類のにんげんがいる。他人の不幸をみて優越感に浸る人、他人の不幸を慮るとぎりぎりまで想像力を働かせる人。けれどもにんげんではないものがこの世界には存在していて、そういう種族は決して滅びたりしない。バカらしいくらいひょろりひょろりと生きていきたい。わざとらしく泣いたり笑ったり、あたまを悩ませたりしてもおもしろくない。ここ数日のことだけれど、家の裏の塀の上で鳥を狙っている斑猫の反応が変わってきた。じゃあまたねとドアを閉めようとすると「待って!」と云うように一歩こちらに足を踏み出す。その手にはのらんぞ。