豆まきとは
しずかなしずかな一日だった。外がまっ暗になった頃、ようやく隣近所から「鬼はぁ外、福はぁ内」と、こちらが照れるほどはしゃいだ声が聞こえてきた。半泣きの赤い鬼の面を思い浮かべておかしくなる。昼に納期限の過ぎた税金を郵便局に払いに行くとオバさんが局員に無理難題を押しつけ困らせていた。余計な事ばかり機関銃のように話し、自分がどうしたいのかわからなくなっている。こういう他人任せな老人はコンビニにも図書館にもいて、大概ちっぽけな自尊心をひけらかしたいだけなのに半ば喧嘩腰でつっからかってくるから気をつけなくてはいけない。