石と遊ぶとは
心残りがひとつだけあった。庭に咲いていた椿とムスカリと花韮を父の仏壇に飾りローズマリーは大量に持ち帰ったけれど、肝心のノビルはみつけることができなかった。酒屋でそんな話をしたところ塩昆布とスルメを入れるのだそう。うっかりしてたな。松前漬けの模倣なのだからスルメはなくちゃならないはず。なんにせよ、来年に持ち越しだ。いつも河原の石を少しずつ持ち帰って玄関先に並べて遊んでいる。ふと石を踏んでみると懐かしい感触が蘇った。台所に立つ時にバランスを取りながら踏むことにする。竹踏みなんて甘っちょろい。やるだけのことをして三時に駅前の海鮮居酒屋。体が大きくて神経質なお兄ちゃんは元力士。放駒部屋にいたと聞いてびっくり。魁傑大好きだったよと云うと喜んでいろいろ話してくれた。