祝うとは


赤花夕化粧がぽつりと咲いた。薄いピンク色の小さな花は毎年五月の初めに咲くのだけれど、やはり今年は早咲きらしい。夕方、友だちの彼氏の誕生日を祝うということで出かける。タオル地のふかふかスリッパを包んでもらって焼き鳥屋さん。お邪魔じゃないのかな、二人っきりでやればいいのにと思う。友だち集めてお家でパーティーなんてお子ちゃまたちの奇妙な風習だ。田舎では皆そこそこに貧しかったから、母親たちは躍起になって見栄えのする料理を作った。我が家でも多分にもれず母の苦心の作があった。憶えているのは鶏の炊き込みご飯に冷奴、そして小さな小さなエビフライ。地味だが食べ合わせがよかった。しかし、やはり誕生日は一人がいい。