切ないとは


洗濯物の山を片付けると陽が傾いた。またご飯作りの日々がはじまる。いかに手抜きするかが課題。大鍋にひよこ豆と野菜を入れたら後はストーブ任せ。たっぷりのローリエで風味づけ、ちょびっとのウインナーが出汁。夕焼けの中を駅まで歩く。友人の膀胱炎快気祝いにしじみのみそ汁と対馬の藻塩を用意した。もう忘年会の話。一年が早いような長いような。よくがんばった。もういいよ。ふぃっと訪れるあの感覚を表現すると「気を失いそうになる」のだけれど、立っている時に限ってのことだから「めまい」になるのかな。だましだまし生き永らえていく。大っ嫌いなさもしい顔の女優の名前が憶いだせない。薄幸というのとは違う。さもしい顔にだけはなりたくない。