笑いと忘却とは


チェコスロバキア生まれのミラン・クンデラは今年85歳になるそうだ。誕生日がエイプリルフール。10年ぶりの小説『無意味の祝祭』を借りてきた。映画になった『存在の耐えられない軽さ』を見たのは何年前になるだろう。ダニエル・デイ=ルイスが圧巻で忘れられない。「この世界を真面目に受けとらないということが唯一可能な抵抗である」という皮肉は、無意味だけが人生の本質なのだという著者の長年のテーマをかろやかにそして明確に表している。