知的とは
十六夜の月の魔力に誘われると明るすぎる夜。地上まで届く光線の威力に比べたらコンビニのLEDなんてショボい。午前三時、孤独に見捨てられてすごすご部屋に戻る。二月九日にちくま新書から出版された橋本治著『思いつきで世界は進む』はwebちくまで「遠い地平、低い視点」として読むことができる。知らずに図書館に予約してしまった。この人の冷徹な視線は整然とバカ騒ぎをするおとなしいバカの群れもバカ騒ぎをするバカの群れも一刀両断する。傍若無人な小太りの若中年の男たちの幼児性の強さを皮肉り「ありのままの〜」と声を合わせて歌っているバカたちに「バカのままでいいのかよ?」と突っ込むユーモアのセンスは抜群。