皆既月食とは


昨日から立冬だった。朝晩の冷え込みは厳しいものの、日中は快適で日向はぽかぽか暖かい。二階のベランダは目隠しと雨避けのために家人が半透明のビニールシートを張り巡らしたので中はまるで温室のよう。植木鉢やらで窮屈になっているが、キャンプ用の折り畳み椅子を出して麦わら帽子を被り、傍に本と煙草と飲み物を置いてうとうと昼寝でもしようかしらんと本気で考えた。しかし頭の上には洗濯物や布団、思うように優雅な気分にはなれないと諦めた。皆既月食。わたしの視力ではうんと高い位置にある赤銅色の月が見えず、もっぱら欠けていく月と膨らんでいく黄色の月を眺めた。明け方5時のぷっくり太った大きな満月がいい。