二十歳とは
おぼろげな成人式の記憶。買ってもらった高級な赤と緑のタータンチェックのブレザーを着て町の公会堂へ行くと周りは全て振袖姿。全員が白い羽毛の襟巻きをしていて見てるだけで痒くなった。式典後、数人でボーリングに行く。着物女子はいなかったようだ。出来の悪かった同級生たちは案の定ヤンチャな青年になっていた。その後、別の同級生がやっている居酒屋に行き安酒を飲んだ。多分、話すこともなかったんだろう。大して楽しくもなんともなく、生まれて初めてボーリングをしたことしか憶えていない。驚くべきはそのブレザーをわたしは未だに持っていて、捨てられずに着る機会を狙ってはいるが、合わせる服が見当たらない。もういらないか